誰も見ないで
第1章 告白
じゃあ教室で話したくないのかな
なんて結論に至った俺は、紺野君よりもちょっと後ろ目にある自分の席に向かった
そして昼休み
やっぱり俺の推測が当たっていたらしく紺野君はそれまでの他の休み時間に話しかけてくるようなことはなかった
お昼はちゃんと喋ってくれるのかな
そう思いながら、いつもは1人で食べてる席から立って教室の出入り口へ向かう
紺野君は授業が終わってすぐ先に出て行っちゃったから、後を追う感じ
なんだけど
「ねぇアレ見て……」
「え!? ウソ……どっか行くの?」
「やだー目の保養が」
クラスのみんな、そんなにヒソヒソ噂しなくてもいいのに
ぼっちの俺がどこ行くんだってこと?
俺にだって友達出来たんだから
その人と食べに行くんだよ
たくさんの視線と何を言われてるのかはわからないけどひそひそ話す声を聞いて、ちょっと気持ちを落としながら屋上に向かった
扉を開けて外に出てみると、昨日と同じでいい天気なのに屋上でご飯を食べてる人は誰もいなかった
まぁ日差しが強いといえは強いし、風もちょっとあるしね
「渡辺(ワタナベ)君!」
俺の苗字を呼んだ声が聞こえて振り返ると、隅っこで手を振る紺野君の姿