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誰も見ないで

第16章 全部知りたいのに


そのままゴロンと横になって
僕は湊斗君の上に乗るような形になってしまう


「ねぇ瑞稀君……」
「なぁに?」


僕の名前を呼んだ湊斗君は、その後特に何も言わず


「……」


僕を横に下ろして腕枕をするようにしてくれた


「?」


僕は湊斗君からの言葉を待ってたけど、次に湊斗君の口から出た言葉は


「次のご飯まで寝ちゃおっか」


だった

きっとそんなことを言いたかったんじゃないと思うけど、僕の頭はぼーっとしてて聞き返したりすることもせずに


「うん……」


そのまま一緒に目を閉じてしまった


意識が眠りの底に落ちていく中

待っててっていう湊斗君の言葉を思い返して
大学4年間を1人日本で待つ自分の姿を想像した


わかんない



けど、上手く想像できなかった


少し前まではそうだったのに

1人の家に帰って
誰とも話すことなくご飯を食べて、眠って
学校に行って


隣に湊斗君がいないことがこんなに違和感があるなんて

4年……
高校の3年間よりも長い時間を、離れたままで


いつか必ず僕のところへ帰ってきてくれるっていう嬉しさの奥底に、小さな不安が渦巻いていた

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