
誰も見ないで
第18章 最後の
また嬉しそうに笑った瑞稀君
明日の遠足楽しみだね、と言うとこくん、と首が動く
準備終わったしもう寝よっか、と言うと再び首が縦に動いて
俺は瑞稀君を抱えたまま電気を消してベッドに入った
「おやすみ」
腕枕をした状態の近い距離で瑞稀君にそう語りかけると、瑞稀君からまた
「!」
触れるだけのキスをされて
「おやすみ」
と囁かれた
寝る直前にこんなことして、眠れなくなったらどうしてくれるんだ
案の定暫く眠れなくなった俺は、暗闇に慣れて来た目で月明かりに照らされた瑞稀君の寝顔を暫く眺めていた
「ーーなとく……みなとくん……」
夢の中で聞こえた声が、瑞稀くんが俺を呼ぶ声だと気がついてハッと目を開けると
腕の中にいた瑞稀君が「おはよう」と微笑んだ
「おはよう。あれ……今何時?」
「起こしちゃってごめんね。そろそろ準備しないといけないかなって思って」
時計を見ると、確かにこれ以上は寝ていられない時間
「いや、ごめん。起こしてくれてありがと」
「ううん。よく寝てたからもうすこし寝かせてあげられたらよかったんだけど」
「そんなことしてたら遠足遅れちゃうよ。楽しみなんだからだめ」
