誰も見ないで
第19章 誰も見ないで
なんて、そんなことにちょっと嬉しくなって、瑞稀君の手を遊ぶように握る
俺は瑞稀君が文句を言わないのをいいことに、気の済むまでそうやってだらだら過ごした
買っていたお惣菜を出して
瑞稀君が作ってくれた料理を完成目前まで仕上げて
2人を迎える準備はバッチリ
「あ、5分前に先輩と駅で合流したってメールが入ってた」
何気なく携帯を確認して発見したそれを瑞稀君に報告すると
「それならもうすぐ着くね」
「お料理仕上げちゃおっか」
「うん」
2人で台所に立って、温めたり盛り付けしたり
そして出来上がった料理を机の上に並べると
「! 来た」
俺の家のインターフォンが鳴らされた
「はい」
『湊斗、俺』
「今開けるね正樹」
通話を切って小走りで向かった玄関の扉を開ける
「お待たせ」
「よう」
「いらっしゃい2人とも。どうぞ」
俺が扉を開けたまま場所を空けると、隙間を通って2人が中に入って行く
「こんにちは、瑞稀君。お邪魔します」
「正樹君、大和君、いらっしゃい」
中では瑞稀君が迎えてくれて、俺は扉を閉めて3人のところへ
すると鞄を下ろした2人が机の上の料理を眺めていた