テキストサイズ

誰も見ないで

第3章 好き


次の日の朝
一緒に帰らなくなった代わりに一緒に登校しようということになった正樹と待ち合わせた


「おはよう湊斗」
「おはよう……」
「なに、なんでそんなにむくれてんの?」


今更そんなこと聞く?


「……」


むっと黙ったままでいると、俺が怒っている理由がようやく分かったらしい正樹が明るい調子で謝って来た


「あー昨日のアレ読んだのか。ごめんごめん」
「ごめんじゃないよ! 大変だったんだから!」


俺の言葉に笑みを浮かべた正樹が「大変ってどんな風に?」と聞いてくる


またからかって!!
もー


「……」


ふい、と顔を背けると正樹に軽く背中を叩かれた


「でも知ってないと困るだろ。付き合ってる以上あーいうのは知っておいた方がいいんだよ」


そりゃ、そうかもしれないけど
でも

うー……


なんか納得できない、と心の中で唸っているとからかってるような笑みを消した正樹に


「お勉強になればと思ったんだよ。湊斗鈍いし。最初から最後まで学ぶことたっぷりだっただろ」


と言われた

そしてその時に「あっ……」と思い出した


「全部は……読んでない」


途中で、その
色々あったから

最後まで読まずに寝ちゃった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ