誰も見ないで
第20章 誰も見せない
不思議そうな顔をしていたのがわかったのか、母さんは少し俯き気味に口を開いた
「貴方の進路のことで、余計な口を出してしまってごめんなさい」
改めて謝罪の理由を口にされて
俺の最初の感想は
そんなことあったっけ
だった
それから少し考えて漸く
あぁ、あの時こうしたら、みたいなこと言われたっけ
と朧げな記憶が蘇って来た
そんなことを考えていたら笑えて来てしまって
とうとう表情にも出てしまった
「ふはっ……」
驚いた様子の母さんと
穏やかな表情の父さん
「母さん、俺全然気にしてなかったよ。それどころか、俺が自分で進路決めたと今の今まで思ってたぐらい。母さんのおかげで、こっちに来ようって