誰も見ないで
第1章 告白
その手には、少し大きめのお弁当が握られていた
結構たくさん食べるのかな?
俺も食べるの好きだし、気があうかも
そう思って俺も手を振り返しながら近づくと、紺野君が
「これ、作ってきたので一緒に食べませんか?」
と言ってきた
「え……これ、手作り?」
「あ、え……と、はい」
俺の反応にちょっとだけ怯えたみたいな顔をする紺野君
なんだかその顔、よく見る気がするな
「ありがとう。俺いつもコンビニでパン買ってきてるから嬉しい」
流石に毎日だと飽きちゃうし
早速食べようってなって座ってから、紺野君が俺に箸を渡してくれた
その時、指に巻かれたいくつかの絆創膏が目に入る
「指、怪我したの?」
痛そう
「これは……え、と……プ、リントの端っこで……切っちゃって……」
「そうなんだ、痛そう。早く治るといいね」
「ありがとうございます」
触れようとすると、すぐに引っ込められちゃう指
触れるだけでも痛いのかな
紙で切ると痛いもんね、ほんと
「じゃ、いただきます」
「どうぞ」
箸をとって俺が手を合わせると、隣で紺野君がまた怯えたようにする