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誰も見ないで

第3章 好き


家に帰って、絶対予習しなきゃって買ってきた本をすぐに読み始めた


今日読み切れたら明日紺野君に感想言えるし
それに、紺野君の趣味ちゃんと知りたい


そして俺はお風呂以外の時間は、行儀悪いけどご飯を食べてる時もずっと本を読んで

それでも読み終わった頃にはもう夜中だった


「おはよう湊斗」
「おはよー……」


朝になって正樹と会うと


「すごい眠そうだね。夜更かしでもしてたの?」


なんて言われた


「んー……まぁ」


紺野君に選んでもらって読んだ本をどうしても昨日のうちに読みたくて頑張った

なんてちょっとカッコ悪い

それに

紺野君とのことあんまり話すの勿体無い


「眠い」
「今日体育あるけど、大丈夫?」
「……わかんない」
「倒れるなよ?」


そうだった
こういう時に限って午前中体育だったりするんだ

せめて午後だったらお昼休みに寝れたかもしれないのに

いやでもお昼休みも今日は寝れない
紺野君に話したいことたくさんあるし


「はぁ……」
「本当に大丈夫? 嫌だよ俺湊斗担いで帰るの」
「お願いお兄ちゃん」
「ちゃんと自分で歩け」


俺は正樹に背中を叩かれながら学校に向かった

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