
誰も見ないで
第3章 好き
学校に着いて紺野君の近くの席の椅子を借りて座って
あーぐっすり寝てる
いいなぁ
俺も隣に寝たい
そんなことを考えながらぼーっとしていると
紺野君の携帯のアラームが鳴る
気づかないうちに俺も寝てたのかな
今のアラーム音でハッとなっちゃった
「ふぁあ……」
大きな欠伸をして紺野君が動くのを待つけど
「?」
何故か紺野君が起きない
いつもはすぐ起きてアラーム止めるのに
違和感を感じて「紺野君?」と肩に触れて軽く揺らしてみる
うわ、紺野君やっぱり華奢だなぁ
脂肪と筋肉がなくて皮から骨ってなってる気がする
そんなことを実感してちょっとドキッとしながら呼びかけると
「!!!」
「わっ……」
紺野君が突然飛び起きた
びっくりして声が出ちゃった
「お、はよう?」
「え……あ……おはようございます……あれ?」
何が起きたのかわからないって感じできょとんとしている紺野君がかわいい
「あ……っ、僕全然アラームの音気がつきませんでした……」
恥ずかしそうな顔
「ふふふ、全然起きないから何かあったのかと思って起こしちゃったけど、眠かっただけならもう少し寝かせてあげればよかったね」
