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誰も見ないで

第3章 好き


俺が笑うと、紺野君は焦ったように


「そんな……っ、授業始まってしまうので、起こして頂いて助かりました」


と言った


顔真っ赤
ふふ、どれだけ恥ずかしかったんだろう


すると目の前で紺野君が欠伸を噛み殺している

それと同時ぐらいに廊下から人の話し声が聞こえて、俺は席を立ちながら紺野君の頭にポン、と手を乗せた


「今日お昼までに体育あるし、無理しちゃだめだよ」


とだけ伝えて席に戻った


やっぱり眠いのかな
また机にぐでっとなってる

そして何故か頭押さえてる


俺は先生が来て授業が始まるまでの間紺野君を眺めて1人でにこにこしていた



正樹との会話にも紺野君との会話にも登場した体育は午前中の終わり、4時間目だった

なんで正樹が俺の時間割を知ってるかっていうと、それは


「正樹君ー!」
「正樹! こっち向いてー!」


俺のクラスと正樹のクラスが合同で体育をしてるから

学校にいる時の正樹を見る機会なんてこんな時ぐらいしかないけど、笑顔で女の子達に手を振る姿は流石王子って思う


ちなみに俺たちがいるのは体育館
さっきから正樹に声をかけてるのは今日はグラウンドで授業の女の子達

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