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誰も見ないで

第3章 好き


俺が声を上げると、笑った口の前に手を添えて隠そうとするけど


バレバレだから!!!
目が普通に笑ってるから!!!


「だ、だって……体育の授業の時はあんなに格好良かったのに……ふふふ、ごめんなさい」


えっ……今


「ほんと!? 俺、体育の時かっこ良かった!?」


突然俺が言葉の端に食いついたせいで紺野君が驚いた顔をする

けど、それをすぐに崩して紺野君は微笑んだ


「はい。すごくかっこ良かったです」
「!!」


やっっった!!!!
正樹お母さん! 俺やったよ!!


心の中で大きなガッツポーズ

それから紺野君に言われた「かっこ良かったです」を脳内でリピート再生して胸がきゅんとした


ほんと、やばい
俺前までこんなに感情の起伏が激しかったりしなかったのに

今はちょっとのことで不安になるし
ちょっとのことでこんなに喜べる


紺野君のこと
ほんとに、好き


「どうかされましたか?」
「ううん。それより次はそのジャガイモのやつ食べたいな」
「はい。どうぞ」
「……ん、美味しい」


「良かった」って笑ってくれる顔が前より気を許した感じに綻んでて、すごく仲良くなれた気がする


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