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誰も見ないで

第4章 真実と真実


『今日学校休み? 大丈夫?』


急いでそれだけ打って送信ボタンを押した

当然すぐに返信が来るわけない
わかってるけど心配になっちゃって暫くメールサーバーの読み込みを繰り返す

けど、1時間目の始業のチャイムが鳴ってもメールが来ることはなかった


大人しく1時間目の準備をして携帯を仕舞ったけど、授業中も気になるのはやっぱり紺野君で


「……」


メール、来てない


ポケットに入れた携帯がメールを受信して震えるのをずっと待っていた



でも


「じゃあ今週はこれで終わりだな、気をつけて帰れよ。号令」
「起立、礼」


どんなに心待ちにしていても帰りのHRまでメールが来ることはなかった

何度メールの再受信をしても来るのはせいぜいメルマガぐらいで、他は『メールはありません』の文字しか表示されない


不安ばっかり募る


家に行ったら迷惑かな
一応紺野君の家の場所はわかってるんだけど

お家の人にもご迷惑になるかもしれないし


うーん……どうしよう


うじうじしてる自分が情けないけど、こればっかりはどうしようもない


余計なことして嫌われたくない
正樹だったら休んでても気にならないし

紺野君、だから

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