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誰も見ないで

第4章 真実と真実


廊下を歩きながらも、下駄箱で靴を履き替えながらも、帰り道を歩きながらも

ずっとどうしようって考えて

そして


今日は帰ろう
メールの返信がないってことは紺野君一日中寝てるのかもしれないし

俺が行って起こしちゃったりしたらかわいそうだもん


と結論づけて、俺は家に帰った

家にはいつも通り1人だし、別にいいだろうってマナーモードも解除して着信音を最大にする


これでいつでも気がつくよね


紺野君から返信があった時に気づけるようにって携帯を机の上に置いた

けど、待てど暮らせど返信は来ない
電話も来ない

それなのに約束がある明日は着実に近づいて来て、俺は目覚ましのアラームをセットして布団に入った


目が覚めたら紺野君から連絡が来てますように


そう祈りながら眠って、朝起きたら何をするよりも早く携帯をチェックした

それなのに


「来てない……」


やっぱり返信は来てなくて

ショックで少し涙が出そうになった


約束の時間まであと3時間
とにかく駅に行ってみようかな


本当は待ち合わせ時間の15分前に出たって間に合う距離なんだけど、俺は2時間以上前に家を出て駅に向かった

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