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誰も見ないで

第4章 真実と真実


駅前に着いて、集合場所ねって約束していたところの近くのベンチに座る

まだ午前中も早い時間だからか人もまばらだったけど、その中に紺野君の姿はない


当然か
まだまだ約束の時間まで結構あるもんね


いつ連絡が来てもいいように携帯はポケットじゃなくて手の中

もしかしたら家じゃないところにいて電車で来るかもしれないから、駅前の広場全体に視線を配って紺野君を探した


人からチラチラ見られる視線が痛い
俺がずっとキョロキョロしてるからかな



そして1時間が経った
けど、紺野君の姿はない
もちろん連絡もない



2時間が経って、約束の時間
紺野君はまだ来ない


いい、よね
流石に


緊張しながら携帯で紺野君の電話番号を呼び出して通話ボタンを押す

長い呼び出し音の途中「出て」って何度も祈ったけど


『お掛けになった番号は電波の届かないところにいるか、電源が入っていないためかかりません』


と言われてしまった

その後何度かかけてみたけど結果は一緒で


俺はまたただ待つしかない状況になってしまった


来るよね
紺野君

何かあったわけじゃないよね


事故、とか


考えはどんどんネガティブになる

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