誰も見ないで
第4章 真実と真実
やがて日が落ちて、辺りは蛍光灯の明かりや送迎に駅にやって来る車の明かりだけになった
紺野君……
やっぱり今日は来れない、か
「……っ」
日が落ちて下がった気温のせいでぶる、と身震いした
昼間は汗かくぐらい暑かったけど、やっぱりまだ夜は冷えるなぁ
それに何にも飲んでないからか、ちょっと頭ぼーっとする、かな
思考力も低下して来て
でも紺野君が来るかもって諦めきれなくて
泣きそうになって頭を垂れながらただひたすら紺野君の透き通った声を掛けられるのを待った
すると
「!」
「やだー」
「今日の天気予報では晴れって言ってたのにー。折り畳み傘あるかなー」
ポツポツと雨が降り始めた
確かに、天気予報は晴れだったよね
俺もちゃんとチェックしたのになぁ
俺の近くで話していた女の人たちが駅の屋根のある方向へ走って行くのを眺めながら、さっきの会話に心の中で相槌を打った
雨はすぐに強くなって、俺の身体をびしょびしょに濡らす
ふふふ、なんだか
忠犬ハチ公の気分
なんて心の中で笑ってから、さらに1時間
突然俺の周辺の雨が止んだ
「?」
不思議に思って顔を上げると