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いらっしゃいませ……

第2章 お待たせしました……

僕はトイレの方に振り返った。

──遅い。
店に入ってから10分くらいは経ってるのに、夏子さんはまだ出てこない。

「連れがトイレ入ってるんで、ちょっと待って」

僕はそのまま店員と夏子さんを待つことになった。

「……」

静寂が訪れる。
ふと気づいたけど、このコンビニ静かすぎる。
あれだ、音楽がない。
深夜だからか?
近所迷惑になるから?

ロン毛男はレジの前にボーッと突っ立ってるだけだし、冷蔵コーナーからも物音がしない。

やっぱり補充してたのはこいつだったのか?
あんな素早い動きをするとは思えないが…。

それにしてもトイレからも全く音がしない。
失礼だけど、普通ならカラカラと音がたつんじゃねーの?

「……」

まさか、中で倒れてるなんてことないよな?
そんな不安がよぎり、僕は…

「ちょっと、見てくる」

そう店員に告げ、トイレへと向かった。

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