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いらっしゃいませ……

第1章 いらっしゃいませ……

え、そんなに?と思った瞬間、

「……いっぽーん……にほーん……」

女はゆっくりと箸を数え出した。
わざわざ声に出して数える必要があるのか?と、僕は疑問に思った。

そしてレンジがチーンと鳴ると、女はゆっくりと弁当を取り出し、割り箸と共に袋に入れた。

「……500円……頂戴しますね……」

女は500円玉を手に取る。
その時僕は500円玉を出してしまったことに少し後悔した。まさかとは思うが、お釣りも…。

「……いちまーい……にーまい……」

やっぱり一枚ずつ数えだした。
380円の弁当に500円玉を出したから、120円のお釣りがくるわけだが、まさかとは思うが全部10円玉でくるなんてこと…

「……さんまーい……よんまーい……」

どんぴしゃだ。

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