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いらっしゃいませ……

第1章 いらっしゃいませ……

「……あの……数えないと……数えないとっ……数えさせてくださいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

ゴンッと鈍い音がした。
突然女は叫びながら、カウンターに頭をぶつけだした。

「!?」

「おおおおお願いしますぅぅぅ…! お願いします…! お願いしますぅぅぅぅぅ…!」

ゴンッ!ゴンッ!と髪を振り乱しながら激しく頭をぶつける女。

「……数えさせてくださいいいぃぃぃぃ、数えさせてくださいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

「う…うわっ、わかった!! 数えて!!
数えてください!!!」

僕はその異様な光景に心臓が飛び出そうになりながらも、女を見ながら言った。
というか、怖くて目が離せなかった。

「………いいんですか?」

ゆらりと、女が顔をあげる。
だが、ひとつに束ねていた髪はボサボサになり、更に顔を覆いつくしていたため、どんな表情をしているかわからなかった。

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