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「は……冗談…。」



捕まれた腕を振り払い、鼻で笑ってやった。



和「俺を大野さんだと思ってさ？」



二宮が口にした名前に、足がピタリと止まる。



和「好きなんでしょ？大野さんのこと？」





お前が…？





智になる、って？





「ふっ…ふはははっ!!」


声高に笑い飛ばしたあと、憐れみを含んだ目で二宮を見てやった。



「ったく…どいつもこいつもそんなことしか言えねぇのかよ!?」


和「は…？」


「俺、って、そんな可哀想な奴に見えんのかよ!?そんな物欲しそうに見えんのかよ!?え!?」



距離を詰めて捲し立てる俺に、二宮が怯えたように俺を見つめたまま後ずさる。



「…いいよ？お前でも？」


和「え？」


「ヤらしてくれるんだろ？だったら、お前でいいよ？」


和「あ…いや…その…。」


「ヌく手間が省けてちょうどよかった。」



目を逸らそうとする二宮の顎を掴んだ。



「へぇ…雅紀も言ってたけど、お前、かなり可愛い顔してんじゃん？」


和「ど…ども。」



愛想笑いを浮かべる二宮の、俺への恐怖心が指先から伝わってきて、



ぞくぞくするほど心地よかった。



「雅紀には黙っていよう…な？」



震えながら頷く二宮の唇に噛みつくようなキスを与えた。