マリア
第9章 傾想曲
「あの…一緒に入れば…てか、先、使ったら?」
和「ふふっ。一緒になんて冗談でしょ?バスルームでもヤりたいの?アナタが女の子なら別だけど?」
一瞬、怪訝そうな顔をした俺に気づいた二宮は、未だに後孔から垂れ落ちてくる白濁を気にかけながらヘラヘラと笑った。
和「俺ね、両方イケんの。」
「えっ?」
和「ヤられてばっかじゃないの。何なら男も抱くし」
「見えねえな…」
和「失礼でしょ?それ?俺だって一応付いてんすから。」
こんなとこにまで飛んでる、と、
ぶつくさ言いながらティッシュボックス片手に壁を拭き始めた。
和「そんなことより、帰りに大野さんと鉢合わせたら何て言い訳すんの?こんなとこでサッカーの自主練してました、って言うつもり?」
「………。」
ったく、女みたいに細けぇな?と一人ごちながらバスルームのドアを開けた。
バスルームから出ると、二宮は床に座り壁に寄っ掛かったまま、ゲームに没頭していた。
タオルで髪を拭きながら二宮の側近くまで行き、小さい声で礼を言うと、
やっぱり小さな声で二宮がぽつり言った。
和「兄貴に電話したら、大野さん、ついさっき帰ったってさ?」