マリア
第2章 前奏曲
雅「男、かあ…」
雅紀は、ズボンをパタパタはたくと大きく伸びをした。
雅「ね、翔ちゃん。男とヤったことある?」
「はぁ?何だよ?いきなり?」
雅「聞いてんだけど?」
「あ、あるわけねーだろ!!」
雅「ないんだ?」
スマホを眺めながらあのエロい笑いを浮かべた。
「さっきから何?キモいんだけど?」
雅「コイツ、今の俺の『彼女』。」
雅紀が見せてくれたスマホの写真を見て愕然とした。
雅「うっかりゴム忘れてエッチしてもニンシンしないしね?」
「ウソ…だろ?」
これ…どう見ても…。
雅「ま、細いし、色白だし、気も強いし。女の子とあんま変わんないだよ、コイツ?それに、エッチの時の声がさ、サイコーにエロ可愛いの♪」
と、スマホにキスをする。
雅「でさ、そこで俺からの提案。」
がし、と肩を組まれたか、と思ったら、いきなりヘッドロックを食らわせてきた。
雅「その片割れくん、お兄ちゃん?弟?ま、どっちでもいいんだけど…」
雅紀は、今まで見たこともないような不気味な笑顔で囁く。
雅「この際、ソイツに代わりしてもらったら?双子なんだし?」
えっ………!?
くくっ、と雅紀がくぐもった笑いを漏らす。
雅「ね?いいじゃん、男でもさ?」