
マリア
第13章 夢想曲
「あっ!!じ…じゃあ、キスしてる時、って、どんなこと考えるの?」
礼「キスしてる時に考えてること?」
汚れた床を拭きながら、礼音は顔をしかめた。
礼「そんなこと…聞いてどうするの?」
「えっ?だから、何となく…だって!?」
礼「…ふーん?」
…僕のこと、スッゴい見てる(汗)
礼「あーっ!!智、ってばもしかして…」
礼音は立ち上がると、僕の隣に腰かけ、手の中にあるお粥の器を取り上げた。
礼「好きな人が出来た、とか?」
「えっ//////!」
礼「分かりやす〜い♪」
ニコニコしながらお粥を掬い、僕の目の前に差し出した。
礼「そっかあ…智が恋、ねぇ…」
「も〜うるさい!」
照れ隠しにシーツの中に潜り込む。
礼「ね…どんなコ?」
「………。」
どんな…って…
カッコよくて…
仕事もできて…
優しくて…
キスも上手くて…
『ここが病院でよかった…』
それにしても、どういう意味なんだろう…?
また、無意識に唇に触れる指先。
考えれば考えるほど気になって、
また、熱が出そうなほどに、体が熱くなる…。
