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マリア

第13章 夢想曲



返事はなかったけど、寝室には鍵がついていなかったからそのまま足音を忍ばせ寝室に入っていった。



すると、先生は、



ほぼ、部屋の半分ぐらいはあろうか、という大きなベッドに横たわっていて、



苦しそうに呼吸を繰り返していた。



ベッドにそうっと近づき、先生の額に手を当てた。



…すごい熱……!!



あまりの熱さに、思わず手を引いてしまう。



とにかく冷やさなければ、と思い立ち上がると、



先生の手に腕を引っ張られ、バランスを崩しベッドに倒れ込んでしまう。



「せっ…せんせ…」


潤「み…水を…」


「水ですね?わ…分かりました。」



それだけ言うと、松本先生は力尽きたように僕から手を離し、目を閉じた。





「えっと…タオルは…」



バスルームのストッカーから数枚のタオルを取り出し洗面器に水をはる。



さらに、冷蔵庫から持ち出した氷を入れ、タオルを浸す。



「あとは…水…」



僕は、それらを抱え、苦しそうに寝返りをうつ先生のベッドの脇に座った。



スゴい汗…



冷水に浸したタオルで額の汗を拭きながらふと思う。



「………。」



着替え…させてあげた方がいい…よね?



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