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マリア

第14章 虚飾曲



「相葉くん、今日はホントにどうもありがとう。」


校門の前で、俺に笑いかける大野くん。



天使だ……。



見るからにアホな顔しているに違いない、俺。



智「どうしたの?相葉くん。」


「へっ?な…何でもない。」


智「なら、いいけど?」


と、俺に背を向け歩き出そうとして足を止めた。



智「あ、そうだ!」


「へ?」


智「番号…交換しない?」



まっ、マジで?



智「今日のお礼がしたいから。」



と、天使が俺に笑いかけた。





「んふふふ…」



いつもの屋上。いつものコロッケパン。



そして、いつもじゃないけど、時々昼飯に付き合ってくれる親友。



翔「…何だよ!?さっきから気色悪い。」



俺の顔を見上げながら、


好物の焼きそばパンを不機嫌そうに頬張る翔ちゃん。


スマホを頬擦りしたり抱きしめたりする俺を横目で見ながら缶コーヒーで流し込んでいた。






智「相葉くんも甘いもの好きなの?」


「も、って、大野くんも?」



他校の制服を着た奴と並んで歩いているせいで、周囲から不信の目に晒されている俺と大野くん。



いつもだったらガンを飛ばして凄みをきかせて追っ払ってるとこだけど、



今日は逆に、そんな俺を見てくれよ?って感じで堂々と歩いていた。



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