マリア
第14章 虚飾曲
翔side
ここ最近、俺と二宮は、頻繁に会っていた。
雅紀とは会わなくていいのか、と、雅紀のことを気にかけつつ、
俺と二宮は会っていた。
和「何?今さらビビってんの?」
と、挑発するような二宮の態度に焚き付けられるように会っていた。
和「雅紀にバレないように付き合おう、って言ってきたの、ってアナタでしょ?」
「そう…だけど…さ…。」
でも、こうして雅紀と毎日普通に顔合わせて、喋って、昼飯食ってると、
坂道を転げ落ちてゆく雪玉のように罪悪感は瞬く間に大きくなっていった。
「な、何か、ワリィな?奢ってもらったりして。」
雅「いーのいーの。たまには、ね?」
と、いつになくゴキゲンな雅紀に、
好物なハズの焼きそばパンの味が分からなかった。
雅「ところでさ、例の彼女とはうまくいってるの?」
「えっ!!」
思わず焼きそばパンを落っことしてしまう俺。
雅「んも〜翔ちゃん、どーしたの?」
あーあ、とか言いながら焼きそばパンを拾い上げた。
「ご、ごめん…」
雅「何か、心ここにあらずじゃない?」
「そっ、そんなことない、って!?お前こそ…」
雅「えっ!?俺?」
「二宮からの連絡待ってて、そんなにソワソワしてるの、って、珍しくね?」