マリア
第15章 悲愁曲
智「どうしたの相葉くん?ボーッとして?」
「えっ!?あっ!?な、何でもない何でもない。あははは!」
智「ね…ホントにこれでよかったの?」
「うん。全然。大丈夫。」
智「今度こそ一緒に行こ?ちゃんと開いてるかどうか前もって調べておくから。」
「分かった。また、連絡して?」
智「うん。」
ここで、俺のスマホが派手に鳴り響く。
慌てて見てみると、やっぱりカズ。
智「どうしたの?出ないの?」
「あ、いーのいーの!」
一旦切れて、また、すぐに鳴り出す。
しばらく無視してるとその繰り返し。
堪らず電源を落とそうとすると、
大野くんがその手を制した。
智「イタズラじゃないんなら出た方がいいよ?」
そのすぐあとにかかってきた電話に出た。
和『…よかった。繋がって。』
「何?」
和『何?って?』
心配そうに見つめる大野くんの目から逃れるように、
彼の目が届かない、公園内の雑木林へと場所を変えた。
和『会って…話せないかな?』
今さら何を、って思ったけど、何とか堪えた。
「話…だけ?」
和『えっ?』
「ついでにヤらせてよ?」
…そうだよ。
カズ、君はまだ、俺の恋人なんだからさ?