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マリア

第16章 迷走曲



…なにそれ?



翔「ほれ、見ろ!」



どーでもいいけど、アンタのどや顔、超ムカつく。



翔「ホ、ホントは俺んちでもいいんだけどさ、部屋、空いてないし…」


「なーんだ、そんな理由で俺んちに泊まらせようとしたの!?だったら、自分ちの自分の部屋で大野さんと同じ布団に寝たらいーじゃない?」


翔「ばっ…ばっ…ばか!智くんはお前の兄貴と付き合ってるだろが?」


「何、赤くなってんの?冗談に決まってるじゃない?」


潤「…ホントは一晩ぐらいだったら僕のところで泊まらせてあげてもいいんだけど、いつ、呼び出しがあるか分からないし…」



は……アンタはアンタでそんなしょーもない言い訳を…



「断われば?呼び出しなんて?」


潤「何言ってる?そんな訳には…」


「大切なんじゃないの?大野さんのこと?」


智「い、いいよ、二宮くん。先生も忙しいんだし?」


「よくないよ!恋人の一大事に側にいてあげないなんて…」


智「先生、僕のことはいいから気にしないで?二宮くんのところに泊めてもらうから。」



俺のことを宥めるみたいに大野さんは僕の肩に手を置いた。



智「翔くんもごめんね?ここはもういいから帰ってもいいよ?」


「あ…うん。じゃ、二宮、智くんのことよろしく。」


「………。」



櫻井さんはアイツにも挨拶をすると、



黙りこくったままの俺を気にしつつ、帰っていった。



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