マリア
第19章 虚偽曲②
智「はぁっ……あっ……あっ……あっ……し…ょ……っ」
二度三度と、ゆっくり引いては一気に貫く、といったことを繰り返す。
この時の俺には、智が、ツラくないかなんて頭になくてがむしゃらに智を突き上げた。
「さと…し…っ…!」
智の入り口がきゅ、と締まり、
急激な射精感に駆られて焦ってしまう。
「さと…あんま締めないで…」
返事がない。
智の方を見ると、俺に突き上げられている振動で智の首がもげそうなぐらいにガクガクと揺れた。
まさか……イッた、とか?
が、俺の体に巻き付いていた腕に再び力が入って、
必死に意識を保とうとしているのだ、と気づく。
「智……お願い、力抜いて?このままだと俺……」
智「イきそうなの?」
苦しい息の下から智が返してくる。
智「いいよ?僕のナカでイッても?」
冗談だろ?それだけ余裕がある、ってか?
するとまた、さっきよりも締め付けが強くなって、
智が意識してやっているのだと思った。
ヤバい…冗談抜きでイきそう。
それでも、何度か突き上げているうち、
智は嬌声を上げ、仰け反り、激しく髪を振り乱した。
その場所に狙いを定めて何度も擦り上げると、
智は悲鳴に近い声を発した。