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マリア

第19章 虚偽曲②



あの日、



二宮くんがあの香りを漂わせて帰宅した日から僕は、



ある考えに捕らわれていた。



本当のところ、先生と、二宮くんて、一体、どんな関係なんだろう?と。



もしかしたら、何か裏があるんじゃないか、って。



特に、確信めいたものがあったワケじゃないけど、



それからの僕は、



二宮くんがイヤな顔をしないことをいいことに彼に必要以上に付きまとった。



二宮くんは、僕が大変な目に合ったのは自分の責任だ、という負い目もあったのか邪険にされることもなく、



初めこそ、隙は見せなかったけど、段々とガードも緩くなっていった。





僕が部屋にいるにも関わらず、ゲームの途中で居眠りを始めたり、お風呂に入ったり、



挙げ句、僕を部屋に残してコンビニにも行ったりした。



そんな時、僕は見つけてしまったんだ。



二宮くんのパソコンの画面に映る先生の姿を。



しかも、画像に表示されている時間からはリアルタイム映像であることも分かった。



先生を監視してた?



でも、そこは確か寝室…。



寝室、ってことは、僕と先生の抱き合ってるところとか映ってるんじゃ…



初めは、二宮くんの性癖を疑った。







でも、また、別の日、そのパソコンの中に、あるファイルのアイコンを見つけた。



開いてみて唖然とした。



…これ、僕と…先生?


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