マリア
第20章 奸計曲
そんなある日、
どーしてもタバコを我慢できなくなった俺は、
昼休み、トイレの個室に籠って、服装をも緩め、隠し持っていたタバコを吹かしていた。
あと、数分で昼休みも終わり、という時、俺の携帯に着信があった。
個室から出る前にその発信元を見て背筋が凍りついた。
智『僕に隠れてタバコ吸ったりとかしてないよね?』
な…何で!?
しかも、このタイミング、って?
もしかして、見張られてんじゃないか、という被害妄想に駆られ辺りを見回した。
智『だって、三日目じゃない?そろそろ限界なんじゃないか、と思って?』
まさか、オンナとヤりまくってることも…
智『女の子とエッチすることまでは制限しないけど、ほどほどに、ね?』
電話口で大野くんはふふ、と笑った。
智『そこまで制限しちゃうと相葉くん、ホントに犯罪者になっちゃうから。』
昼休みの終わりを告げるチャイムが聞こえてきて、
大野くんは、また電話するね、と言い残してさっさと電話を切ってしまった。
恐ろしくなった俺は、個室から出るなり残りのタバコすべて、トイレのゴミ箱に捨てた。