マリア
第20章 奸計曲
和「で?」
「えっ?」
和「え、じゃないでしょ?説明しなさいよ?アンタがなんで大野さんに連絡したのか?」
「あ……うん…まあ…。そ、そうだ!!カズ、コーヒー淹れよっか?」
和「…いらない。てか、座って。」
「あ…いや…だって…」
カズがこれ見よがしに大きく息を吐く。
和「座れ、って言ってんのが分かんないのかよっ!!」
「あ…はい。すいません。」
間が持たない…。
俺を睨み付けるカズの目。
まるで獲物をロックオンした猛獣のよう。
カズに言われた通り、素直に座った。
和「で?目的は何?」
「目的、って…?俺はただ…その…謝ろうかと思って?」
和「は?謝る?バカなの?お前のやったことは立派な犯罪なんだよ!!謝って済むなら警察なんて要らないんだよ!!」
今度は鼻で笑われてしまった。
和「…聞いて損した。」
荷物を持って立ち上がるカズ。
「あっ!?ちょ…ちょっと待って?」
追いすがるように肩を掴み振り返らせる。
和「放してくんない?」
玄関に腰を下ろし、スニーカーを履き始める。
「カズ!頼むからっ!!」
和「時間のムダだから…」
「カズにとって、大事な話でも?」