マリア
第20章 奸計曲
「ふ、ふーん、じゃ、その変質者と同じベッドの中にいるあなたは変質者じゃないんですか?」
智「だって、素っ裸に赤いマフラー巻いてないもん。」
「…あっそ。」
と、マフラーを少しだけほどき、智の首にも巻き付けた。
智「あっ!?やだ、もー!!」
ほどこうとする智を抱きしめる。
「…いいじゃん?どうせ、ずっと一緒にいるんだし?」
智「………。」
「智…?」
智「ぼ、僕はやだよ!!翔くんの仲間だって思われたくないし?」
「はぁ!?何?その言いぐさ?」
智「だって、ホントのことじゃない?」
と、俺の体を押し戻そうとする智をまた、抱きしめ返す。
この時の俺は信じて疑ってなかった。
二人で同じ時間を共有し、
同じ空間を共有し、
同じ温もりを共有する。
それがずっと続いていくんだ、って。
智「ねぇ、翔くん?」
「はい、何ですか智くん?」
智「下半身に何か、当たってるんだけど?」
「バレました?」
智「復活するの、早くない?」
「何をおっしゃいますやら。俺らのジイサン世代が現役なんだよ?まだまだ現役の俺らが何言ってんだ?って話だろ?」
智「に、したって…あ…」
智の体をベッドに括りつけるように、シーツの海に体を沈めた。