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マリア

第23章 変奏曲 ②



「ごめん…なさい。」


翔「あのあと大変だったんだぞ?回りから白い目で見られてさ?」


「あ……」


翔「別れ話して彼女泣かしてる悪い男みたくて居心地悪かったんだからな?」


「ごめん…ね?」


翔「礼音が泣き出したことにもビックリしたけど…やっぱ、双子だなあ、って気がした。」


「?」


翔「前にさ、俺が礼音とのことで智にぐちぐち言ってたら、もう、会わない、って。礼音にも言って聞かせる、ってキレたんだよ?智のやつ。」


「そうなの?」


翔「…うん。」


「そんなこと…仕方ないよ?」


翔「ごめん。」


「でね、松本先生のこと…なんだけど…」


翔「多分、智が絡んでる、と思う。」


「気づいてたんだ…」


翔「俺……智とどう向き合ったらいいのか分からないんだ。だから、あんな言い方しか出来なかった。」


「ありがとう、翔くん。そこまで智のこと心配してくれてたなんて…」


翔「お礼言われる筋合いなんてないよ?一度逃げてんだから…」


「だから、それはいいってば。それはいいんだけど…」



首元に巻かれた赤いマフラーにそっと触れた。






「智の側にいてあげて?」



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