マリア
第23章 変奏曲 ②
翔「礼音…?」
「私はずっと側にいてあげられないから…。」
翔「そんなこと言うな、って!」
「ごめんごめん。」
立ち上がって、マフラーを外す。
「これ…智からだよね?」
翔「え?な、何で?」
「翔くんは世界で一番、赤の似合う男の子、だ、って言ってたから。」
翔「それ、誉めてんのかな?」
「た、多分…」
翔「…笑ってんじゃん?」
「だって…」
むくれてる翔くんにマフラーを巻き付けた。
「マフラーを選んだのは、多分、翔くんを独り占めしたかったから…かも?」
翔「え……//////?」
だから…だから、お願い。
「できる限りでいいから智の側にいてあげて?」
翔「あや…」
「それでも…手に負えなくなった時は私が…」
翔くんの首元に巻かれた赤いマフラーにそっと触れる。
私が智を連れていくから…。
翔「あの…」
「ごめんね?急に呼び出して?」
翔「…うん。」
「もう、行くね?」
翔「あ、ああ…」
「ねぇ、翔くん?」
翔「ん?」
「キス…しよっか?」
翔「は?じ…冗談…////!」
「もー、ウソだってば!?あ!!翔くんてば赤くなってるぅ♪」
翔「あっ…礼音!!」
「じゃ、今度こそ、またね?翔くん?」
翔「あ…ああ…また。」
今度って…
いつになるのか分かんないけど………。