マリア
第25章 後奏曲
翔side
昨日今日と智を見ていて俺は確信した。
すべて智の仕業だと。
それでも俺は、
だからこそ俺は決めたんだ。
智の側にいなければ、って。
智を守らなきゃ、って。
礼音に言われたからでもなんでもなく、自分で決めた。
もちろん、智の仕出かしたことは絶対に許されることじゃない。
だからと言って、謝ればすむ問題でもない。
どうすればいいのか、
その答えは智自身が持っている。
そして、その答えを出した智を俺は、尊重してやらなければならない。
智「翔くん、僕…。」
「あーあ、何か、お腹空かない?」
何かを言いかけた智に笑いかけた。
智「え?あ、僕は……」
「んじゃ、俺に付き合ってよ。」
智「うん…」
ここから近いラーメン屋に智を誘った。
「エッチ、って、思った以上に体力使うからなあ。」
智「しっ、翔くん、声…」
「ん?だって、ホントのことじゃん?」
智はもうっ、と、顔を真っ赤にさせ俯いた。