マリア
第30章 祝歌
「先生は奇跡、って信じます?」
中「うおっ!?どうした櫻井!お前みたいな優等生がそんなドラマのセリフみたいなこと言うなんて!」
「ちゃ…茶化さないでください。真面目に聞いてんですから…。」
中「んー?信じる、つーか、俺らの存在そのものが奇跡だろ?俺がガンから生還してなきゃ、櫻井とは出会ってなかったんだし?」
テーブルに頬杖をついて不敵に笑う中居先生と目が合う。
「…そうですね?」
けたたましく鳴るスマホをチラ、と見、ポケットにしまいながら、中居先生は立ち上がった。
中「あんまり難しく考えてっと禿げるぞ?」
「…ええ。」
そう言った中居先生の額を半笑いでチラ見すると、お前、どこ見て笑ってるんだ!?って雑誌で叩かれた。
数ヵ月後、
雅紀から無事子供が生まれたとのメールが写真つきで届いた。
雅『俺に似て可愛いでしょ?』
…全然似てねぇよ。
雅『あ!!名前なんだけど、翔ちゃんに教えてもらった人に連絡して会いに行ってきたんだ。』
で、考えてもらった名前が『仁』と『安義(あき)』。
雅『男の子はともかく、女の子の方はちょっと、って思ったけど、ふきちゃんが喜んでたし、ま、いっか?って思って?』