マリア
第7章 恋慕曲
智side
二宮くんと松本先生が…兄弟…?
僕は鏡の中の自分の顔をじっと見つめた。
そっか…
僕だって、兄妹なのに、礼音とは似ても似つかない…。
二卵性だから、あるあるなんだよ?って、
情けないことに、他の人から教えてもらって初めて知ったけど…。
それにしても、何で、二宮くんと松本先生が兄弟だ、なんて聞いただけであんなにショックだったんだろう?
そんなこと、どうでもいいことなのに…。
むしろ、僕に近しい人のことを知って喜ぶべきことなんじゃないの?
と、自身を叱咤するみたいに頬っぺたをぺちぺち叩いた。
「よし!!」
さらに、気持ちを鼓舞するみたいに声を出す。
トイレのドアを開け、しばらく歩くと、途中、心配顔の翔くんがこちらに向かって歩いてきていた。
翔「具合でも悪いのか、と思って…」
僕たちが座っている席を見ると、
テーブルに頬杖を付き、含み笑いを浮かべる二宮くんがこちらを見ていた。
えっ…!?な、何?
ドキドキしながら席に戻ると、
食べかけの僕のパフェはもう全く残ってなくて、
ほっといたらアイスがとけちゃうし、勿体ないから食べてあげたんだよ、って、
声を上げて楽しそうに笑った。