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マリア

第7章 恋慕曲



「俺と…話しながら待たない?」


智「…は?」



はっ!!



バッ、バカ!俺、ってば何言ってんだ?



そんなん、はい、分かりました、って言うわけないじゃん!?



それに、あの子の頭の上に、思いっきりはてなマークが見えるじゃん?



智「でも…話す、って何を?」


「あっ…た、例えば、翔ちゃんのガキん時の話とか、聞きたい…かな?」


智「翔くんの……?」



共通の話題、って言ったら、こんなことぐらいしか思い浮かばない…



智「翔くん、て、ヘビが苦手、って、知ってる?」

「え?あ…何となく…」


の、乗っかってきた…。


智「ヘビを見ると、大声で叫びながら僕の後ろに隠れるんだ。」


「へ、へぇ…。」


智「今でもそう。僕より体が大きいのに、未だに僕の後ろに隠れるんだ。」



俺といた時は確か、地味に驚いてただけだけど?



智「翔くんとお昼、食べることは?」


「まあ、時々…」


智「いつも焼きそばパンじゃない?」


「…そう言えば…?」



俺を不審者のように見ていた彼の顔には、



いつしか笑みが溢れていた。


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