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マリア

第7章 恋慕曲



智「翔…くん。」



思わず、二人とも固まってしまう。



翔「雅紀も一緒…って、どういう…。」


智「そ…それは…。」


「あっ!?し、翔ちゃんに、話がある、って?」


翔「え?」


智「あ、相葉くん!?!」



動けないでいる彼の背中を前に押しやる。



二人の間に何があったかなんて、そんなこと、俺の知ったことじゃない。



要は、彼が、



翔ちゃんの親友である彼が、このままじゃいけない、って思ってるからこそここに来たんじゃないか?



「んじゃ、俺はこれで。」



頑張って?と、



彼の背中をぽんぽん叩いてからその場を立ち去る。




彼のあの雰囲気…



まさか…告白する、とかじゃないよなあ。



あの子の妹が翔ちゃんの彼女なんだからそれはないか。



でも、友情が愛情に変わる、ってことも…



「…………。」



何なんだ?



どうした?俺。


頭をがしがしと掻き毟りながら歩いていると、誰かの気配を後ろに感じた。



和「…何してんの?こんなとこで?」


「な、何で?」


和「それはこっちのセリフでしょ?」



無理もない。ここは、旧校舎の裏側にある古い体育館。



気づいたら、俺は彼をここに連れてきていた。



和「まさか、誰かを連れ込んでた、とか?」



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