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純子は電車に乗る


ここは駅

人の波が集まり
それぞれの目的地へと向かって行く場所


そして、ここにも一人

強い日差しがやや遮られた少し温度の下がった空間で、その足は止まりその顔は目の前の壁を見上げる


そしてバッグから財布を取り出しお金をつまみ出す


止まっていた足は動きだし、他の足々の間を通り抜けて行く



プールに飛び込むように改札口を通ったならば次は足元の薄暗いプールの底をしばし歩く



半分が日の当たっている階段をのぼっていくと体は徐々に浮き上がってくる


その足は階段の上から人の波が押し寄せて来るのを見てとると慌てて階段を駆け上がる



ドアが閉まり電車が動き出す


先ほどまで慌てていた足は電車の中の人混みの中


足はドアの近くで立ち止まったままつま先はドアの外へ向けられている



窓の外を通り過ぎていく見慣れた風景

新しい中吊り広告



スピードが減速され、常に人であふれかえる駅に電車は到着する


電車のドアが開く

ドアの近くで立ち止まっていた足は順番を待つ


そして動き出したその時


急かすように誰かの肘が背中をぐいぐいと押してくる



純子は激怒した