無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「大丈夫よ、貴女みたいな小娘、捕って食ったりしやしないから。こんなに下瞼にマスカラ滲ませてどうしたのよ？　爆睡して乗り過ごしたボクに話を聞かせて頂戴」

「でも……」

「じゃあ、良いわ。ボクの話を聞いて頂戴」

　男性はそう言うと話し出す。男性の名前は木内真守(ｷｳﾁ ﾏﾓﾙ)さん。真守さんの話を要約すると、子どもの頃、母親に虐待されていたらしい。背中にある火傷の痕、それを愛の証だと思っていた。

　社会人になり、好きな人ができて付き合うようになった。けれどある雨の日に自分を愛していたと思っていた母親が別の家族といるのを見てしまい、精神を壊してしまい、彼女に暴力を振るうようになった。

　彼女の最愛の人が現れたことにより、彼女を殺しそうになったが、間一髪で過ちを犯さずに済んだ。その後、自殺未遂で病院に入院した時に献身的に支えてくれた同性の親友のことが好きになってしまった。親友に勇気を出して告白するも玉砕。けれど、今は自棄酒をしに行ったバーで知り合った店長さんとお付き合いをしているそうだ。