君を愛してる~十年越しの想い~
第1章 君を愛してる~十年越しの想い~
「あの……なんで、そんな大事なお話を私に……?」
「修羅場を潜ってくるとね、自分と同じ香りがする人って分かってくるものよ。乗り過ごしたのも貴女と出逢うための縁だったんじゃないかっていう、オジサンのおせっかい。あ、でもコレ、口説いてるんじゃないからね。今は正真正銘、オトコしか愛せないの。ふふっ……」
「では、お言葉に甘えて、私の話も聞いて下さい」
出逢ってばかりだけれど、全てを話して笑いかけてくれた、手を差し伸べてくれた真守さんに、まだ誰にも話したことのない抄華への想いをぶつけた。想いを言霊にして語っていると、一度は止まった涙がまた溢れ出す。真守さんは、スッと黒のハンカチを私に差し出してくれた。私のハンカチはもう本来の機能を果たしていなかったから。
「修羅場を潜ってくるとね、自分と同じ香りがする人って分かってくるものよ。乗り過ごしたのも貴女と出逢うための縁だったんじゃないかっていう、オジサンのおせっかい。あ、でもコレ、口説いてるんじゃないからね。今は正真正銘、オトコしか愛せないの。ふふっ……」
「では、お言葉に甘えて、私の話も聞いて下さい」
出逢ってばかりだけれど、全てを話して笑いかけてくれた、手を差し伸べてくれた真守さんに、まだ誰にも話したことのない抄華への想いをぶつけた。想いを言霊にして語っていると、一度は止まった涙がまた溢れ出す。真守さんは、スッと黒のハンカチを私に差し出してくれた。私のハンカチはもう本来の機能を果たしていなかったから。