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君を愛してる~十年越しの想い~

第1章 君を愛してる~十年越しの想い~


         ***

 抄華の家のチャイムを鳴らす。

「はーい」

「由里っ……ですッ……」

「由里、どうしたの?!」

「ちょっと話したいことがあって。下、出れる?」

「うん、いいよ」

 私達はマンションの下の公園に行く。辺りはもう真っ暗だ。

「びっくりしたよ。どうしたの?」

「これからもっとびっくりさせるかもしれない。私、抄華のこと好きなの」

「うん、知ってるよ」

 抄華はそう言って微笑む。だけど今日伝えたい好きはあの頃とは違う。ウイッグは走っている途中で外して、アクセサリーも鞄に直して、ロリィタにはあるまじき不恰好な姿。それでも必死に走ってきて伝えたかった想い。

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