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君を愛してる~十年越しの想い~

第1章 君を愛してる~十年越しの想い~


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 久しぶりの休日、久しぶりに抄華とデート……遊びに行く約束をしていた。OLの彼女とカフェ勤務の私じゃ中々、休みが合わない。今日は、店長に無理を言って、日曜日に休みを貰ったのだ。

 ロリィタの有名ブランドのピンクの新作のジャンパースカートに高校生のあの頃、お年玉で頑張ってお迎えしたお気に入りのブラウスに身を包んだ。

 髪の毛は、ツインテールのゆめかわ配色のウイッグに最近好きになったばかりのブランドのうさぎーヌさんがちょこんとしている。耳にも首にも胸元にもハンドメイドアクセサリーを散りばめた。

 私は足し算コーデしかできない。引き算コーデができない理由は怖いからだ。素の自分でいるのが怖い。見透かされるのが怖い。抄華を好きな気持ちも、嫉妬も心のドス黒いところも。高校時代のような純粋なままだと自分が一番信じたいのだ。

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