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暗がりの中の灯火

第2章 Rose Ber

「ありがとうございます」

「で、君、バーとか初めてでしょ?」

 顔がカッと熱くなる。

「そうよ。だって今日が誕生日だもの」

「誕生日に一人でバーか。寂しいね」

「どうせ私は、寂しい女ですよ」

 ぼろぼろと涙が零れ落ちる。そう、寂しいんだ。だからこんなところに入ってしまったんだ。本当なら彼とお誕生日おめでとうって祝っていたはずなのに……。

「……っ」

 突然、男性が私の頭を撫でてきた。

「寂しかったらいつでもおいで。そして辛かったら思い切り泣け」

 耳に優しく声が響く。

「うっ……うわぁぁぁん」

 私はこれでもかというくらい思い切り泣いた。その間、ずっと頭を撫でてくれていた。理由も聞かないでいてくれた。

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