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性犯罪者の本音

第2章 性犯罪者ファイル(1)

「あ、やっぱ99%間違いないや」


目を輝かせながら話す裕太と波長を合わせるように、わたしは興味ありげに「へえ、そうなの?」と、少し大げさに相づちを打った。


けれど本心はそんなこと(面識の有無)なんてどっちでもよかった。それよりも、彼がトイレ覗きにはまった理由を知りたかった。


「ていうか、そんなこと興味ないよね?」


胸のうちを見透かしたような裕太の言葉に、わたしは思わず息を飲んだ。(表情に出した覚えはまったくない)


性犯罪者に共通している部分のひとつに「洞察力」の高さがある。


それは裕太のように、いっけん他人に対して「無頓着」に見えるタイプであろうと、けっして例外じゃない。


頭のなかではつねに、目の前の相手がいまなにを考えているのかを心理学者やメンタリスト顔負けの冷静な分析をしている。


「裕太くんが話したくないなら無理に話さなくていいけど、できることなら聞きたいな」


わたしは感情をおさえながら淡々と言った。


「ふっ、ホント変わってるね。まあいいや、覚えてる範囲でぜんぶ話してあげるよ。最初は女が1人だけって思ってたんだけど違った。男も一緒だったんだ…」

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