性犯罪者の本音
第2章 性犯罪者ファイル(1)
○○駅のトイレは男女共同のため、左側に男性用の小便器が2つあって、同じく右側にも和式便器を備えた個室が2つある。
もちろん、大半の無人駅と同じように、この○○駅のトイレも水洗ではなく汲み取り式だ。
こういうタイプのトイレを利用したことがある人はわかると思うけど、けっこう臭うし見た目もそうとうキツイ。
しかしそんな劣悪な環境にも関わらず、意外にも裕太はこう思ったという。「冷たい風が吹き付ける外と比べたら天国だったよ…」
その言葉通り、裕太は個室に入って間もなく強い眠気に襲われ寝てしまったようだ。
「どれくらい寝てたのかあんまり記憶にないけど、とにかく女の声で目が覚めたんだ。しかも聞き覚えのある声だった」
「え?ってことは、まさか初めて覗いた女の人って裕太くんの知り合いだったわけ?」
「たぶん」
「たぶんって?」
「顔を見たわけじゃないから…でも、たぶん近所に住んでる2つ上の先輩の彼女」