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性犯罪者の本音

第2章 性犯罪者ファイル(1)

「そう、あのときアイツ(先輩)の名前が出たからわかったんだ」


裕太は睨みつけるように、眉間にシワをよせたまま言った。


その表情を見るかぎり、裕太が先輩に対して良い印象をもっていないことは明らかだった。


じっさい、この先輩「雅也(仮名)」は地元ではけっこう有名なワルらしく、裕太もふくめ、暴力を振るわれたり、脅されてお金を巻き上げられた者もかなりいたようだ。


くっそ、今日はなんでこんなについてないんだ?とりあえずコイツらがいなくなるまでここから出れないな…


裕太が真っ先にそう思ったのも無理はない。


しかしそんなネガティブな感情は、薄い板の向こう側から聞こえてくる彼女の「ため息」と、下着を下ろすときの「衣ずれの音」を耳にしたとたん、一瞬にして消えたという。


薄笑いをうかべながら、大きく盛り上がった股間を指さして、「あのときのことを思い出すといまでも興奮するよ、ほら…」


そう呟く裕太を目にして、正直わたしはゾッとした。

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