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「親には早く働きたいからとか適当なこと言って、どうにか学校を辞めることを許してもらったんだけど、じっさい中卒だとなかなか働くとこがなくてさあ」


「そんなの当たり前だよ、だって大卒でさえなかなか就職先が見つからないくらいなんだから」


「だよね…」


裕太はまるで他人事のように(そんなことどうでもいいだろう)とでも言いたげに、気だるそうに答えた。


仕事のことや将来のことについて尋ねると、彼はいつも同じ反応だった。


ちなみに東日本大震災が起きた2011年は、2008年のリーマンショックが引き金となった世界的な不況の影響もあって、大学生の就職率が記録的に低かった年で、じっさい大学生の約4人に1人が就職できないほどだった。


「ところで、それとトイレ覗きを始めたきっかけはなんか関係あるの？」

「うん、大あり。それが原因で親とケンカになって家を出たんだけど、行くとこなくて…」