わたし、お金のためならなんでもします。
第1章 プロローグ
太陽が沈み、あたりが薄暗くなったころ、わたしはいつものようにある意味ホームグラウンドとよべる場所に向かう。
【ホテル栗とリス】ここは明らかに、わたしが生まれる前から建っていたであろう的な?昭和の香りがプンプンする古ぼけたラブホテル。
こんな薄気味の悪いホテルなんて普通のカップルは利用しない。利用してるのはおそらく中年の不倫カップルか風俗関係の人たちだろう。
ちなみに、わたしの仕事はデリバリーヘルス。略して「デリヘル」つまり出張ヘルス嬢。
「頑張れば月に100万は楽に稼げる」なんていう口車に乗せられて働いてみたものの…
実際は一日平均25000円くらい。多くても30000円程度だったりする。
ぶっちゃけ、これくらいの金額なら高校のときにやっていた援交であっという間に稼いでいたのに…
でもいまは、あのころとは時代が違う。JKの相場はすっかり暴落して安売りしないとだれも買わない。
それにわたしはJKどころかもう24だ。
モデルなみのルックスとスタイルをしていればべつだけど、24歳なんてデリヘルの世界ではとっくにピークを過ぎてる。
と、いっても逆に30代になれば熟女を売りにするのもありだけどね。
まあどっちにしてもわたしの年齢が中途半端なことに変わりないんだけど…
それにしても今日は珍しく指名なんだけど、わたしなんかをわざわざ指名するなんて物好きな人もいるもんだ……。